あの朝へ〈現在地フリーター〉

フリーター1年目(25歳、女性)による日記。

ポケモンgoで家出たい。旅がしたい。

よかった。第2回目の日記。

スマホの文字入力はまだ慣れないけど、これから恥知らずに私のニート生活を記していこう。



初めてのスマホを買ってから、私は早速ゲームをインストールした。
変わろうと決心したのに、そうすぐには変われない。

しかしポケモンgoであれば、外を歩かなくちゃゲームできない。

ほとんど動かない私は、かなり筋力が落ちているのを体感している。
万歩計アプリによると、1日に150歩ほどしか歩いていないらしい。

これじゃあ働くことになったら、疲労でぶっ倒れてしまう。
だから筋力をつけたい。
そのために歩いて、しかもゲームができるなら一石二鳥!なんて都合のいいように思ってた。

いまだ外へ出られない。

おかしい。最近は涼しくなって、歩いてみようという気にはなる。が、どうも警戒心のような気持ちが強く出る。

“誰もお前がニートだなんて知るよしもないんだから、何気なく歩いてりゃいい”

とか、自意識過剰を落ち着かせるために説得してみるけど、なかなか出ていけないでいる。

どうやら、近所を出歩きたくないらしい。

車で行った先でなら外に出られるんだ。
自分ではない、他人の集合体の一部となって、お客様として、通行人としていられれば、まだ落ち着いていられる。
それと同じように“散歩する人”になれればいいんだけど、散歩となるとちょっと···。

どうしてこんなに抵抗感があるのか、私って、めんどくさい。
少しは自分の理想に生きたい。

ということで、次回の日記までには散歩してみたいと思う。

ニートである私の生活には、制限のついた物は食べ物と、テレビ、アニメくらいしかない。
大概のことは先伸ばしにできてしまうので、日記で宣言してやってみようと思う。



他にインストールしたアプリはこの通り。
ライン、天気、旅行、電車、辞書、百名山、星座表、ラーメンマップ。

いつか一人旅がしたい。

散歩することもできない、人の目を気にしすぎる臆病な私でも、密かに、いつの間にかそう思う気持ちがあった。

一人旅を実現するそのときには、ぜひこの日記に書きたい。



私は、スマホを希望に満ちたものにしたかった。
それでこの日記も始めた。

約2年半は何もできなかったけれど、気持ちだけは変わった。少しは前向きになれた。

自分の人生を好きに生きてみたいと思えたから、旅がしたいって、忘れていた気持ちが浮かんできた。
星が好きで、ラーメンも好き。山にだって登りたい。

私にだってちゃんと好きなことがあった。

······これからどんな生き方ができるだろう。


今さら生きてみようだなんて、現実を直視すれば、私の心はすさむ。
旅がしたいだなんて夢に夢みていれば、生きたいと思える。


今はどうにか生きる方を選びたい。