あの朝へ〈現在地フリーター〉

フリーター1年目(25歳、女性)による日記。

私は何者にもなれないと、思ってしまう


風邪をひいた。でも、病人にもなれない。
何者にもなれない。
早くここから出ていこう。


自分に自信が持てない。
周りにいる人が良い評価をしてくれない。悪いってことばかり言われる。何ならやっていいのかと思ってしまう。
そんなこと思ったって、どうしようもないのに。
自分がやりたいことやらなくちゃ。

でも、自分のことがわからない。わかりたい。そのために、親という権力者から離れたい。
私は特に父親を拒否することが苦手。逆らったら捨てられる、なんて、もう25歳なんだから怖いことないのに。

子どものころ、家の外に追い出されたり、叩かれたり、怒鳴られたりして、怯えてたくさん嘘をついてきた。
そうして嘘に慣れてしまって、守りたかった自分を見失った。

···そんなの、無かったのかもしれない。守りたかった自分なんて。積み重ねてしまったのは、嘘。
私は何者でもない。自分ですらもない。

もう、やめよう。そんな自分をやめよう。
風邪ひいてぐったりしてるのに、夕飯作ろうとしてる自分が嫌だ。もう、自分に嘘はつきたくない。
でも、すぐには変われない。だから、一人暮らしをしよう。そのために働いてお金を貯める。

···環境を変えれば変われるなんて、甘いだろうか。でも、ここにいたくない。これ以上自分の人生を無駄にしたくない。
こんな私にできるだろうか。私には何もないのに。

嘘つき。
何もないって、なんのこと言ってるんだよ。
何があればいいっていうんだよ。

うーん···趣味特技がない、生きる気力がない、生きることに執着してない···何もないわけではないか。
少しなら、ある。
面接では言えないくらい、ちっちゃなことだけど。
それで十分かもしれない。

地味に生きよう。それがいいな。楽できる。
ゆったりとした人になろう。
他人からの評価を、間に受けることはない。