捨てられるようになりたい
私はなかなか物を捨てられない。
それでも、捨てられるようになりたいと前々から思ってる。
ある時、なんとなく、捨てられる気がした。
もう捨てても大丈夫だと思った。
そう思えたことが、嬉しかった。
安定してきたんだと思ったから。
けれど、捨てられなかった。
もうずっと開けていなかった段ボール箱の中身を、ゴミ袋に入れてみたけど、駄目だった。
どうしても心に虚しさが広がる。
死ぬために捨てているような気持ちだった。
きっとこの心を無視して捨て続ければ、片付けられない気持ちが積み上がる。
やり直そう、と思った。
けれど、これじゃいつになっても片付けられないままだ、とか、使ってないんだから捨てろとか、自分を責め立てる気持ちが、やり直しを拒んでいた。
そして結局、いつものように放置することになった。
捨てられると思ってやり始めたのに、捨てられなかった。
やっぱりこうなる。
もう、捨てられないままでもいいか。
いやでも、そうは思っても、私は捨てたいと思ってる。
どっちがいいだろう。
どっちが私の本心だろう。
···私はどうしてか“捨てられる”と思った。
心に、余裕ができたからだ。
それは柔軟に捨てることに向き合えるような···
···捨てる方法を見つけられそうだ、と、そういう気持ちだった。
そうだ。
物を捨てられないのではなかった。
捨て慣れてないだけだ。
よし、歩き方はわかった。
けれど、道がない。
私はそういう時間のかかることを、今まで、あまりやってこなかったんだと思う。
大事なときに、闘えなかった。
自分のために、何かを積み重ねようとできなかった。
···どうしようか。
もうニート4年目になる。
···私はまた逃げているのかもしれない。
どうにか働かなくちゃいけないのに。
でも···今やらないといけないような気がする。
今捨てられるようにならなきゃ、この先どんどん捨てられないものが増えてしまう。
これが逃げていることでも、立ち止まっていないなら、いいのかもしれない。
今の死んでいるような私よりは、何か良くなるかもしれない。