あの朝へ〈現在地フリーター〉

フリーター1年目(25歳、女性)による日記。

ついに面接してきた。なのに自分が何をしたかわかってない。


あわわわゎ···


バイトの面接してきた。

次の4月でニート4年目になるからって、焦って応募した。
最近調子良いから、今のうちにやってしまえって、行ってきた。
調子良いくせに、キョロキョロもごもごニヤニヤと話した。

あー、こりゃダメかもしれない。


でも受かったらどうしよう。
いや、期間の定まったアルバイトだから、なんとかやれるって。

受からなかったら、また応募して面接か···。




······実はこれで良いのか、さっぱりわからない。

“人生は自分で切り拓くもの”というのは、こういう不確かなことなのだろうか。
誰かに言われたことに、従ったわけではなかった。
このまま無職でいることもできる。

それなのに、応募した。

どうして自分がそれをやれたのか、ピンときてない。でも目的ならわかってる。

一人暮らしのため。

そのために、やった。はずなんだけれど···今の私には何かが欠けているような気がする。



なんというか···とにかく実感がない。
働かないわけにはいかないはずなのに、なんだか自分には無職がふさわしいのではないか、と思っているような感じがする。

どういうことだろう。
自分をニートだと思い込みすぎているのだろうか。
それとも、私には働く能力がないと思っているのか。

ろくに生きる気力がないくせに、働こうとするなんて世の中舐めてんじゃねぇ、とか、死に損ないが生きようとするなんて身の程を知りなさい、とか、あれ?まだ生きてんの?死ぬんじゃなかったの?とか···。



私には、生きる価値がない。

ん?なぜ?

···生きようとしてないから。

···おや。
生きようとしないから価値がないのか、生きる価値がないから生きられないのか。
どっちかな。


“生きる価値”ってなんだろね。

誰に決められた?いじめてきた奴か?親か?
···そんなに他人は偉いか?


“生きる価値のない命”があるというなら、“生きる価値のある命”もあるということ。

んー···そんなの私に決められることじゃない気がする。


それじゃあ、“生きる価値があるか、ないか”という問いそのものが、違っているんじゃないだろうか。

人間の世界には“ある・なし”があるように見えるけれど、地球からしたら、人間はただ在るだけのこと。

いや、そんなこと言っても私は人間だからなぁ。


···私はそんな人間の世界が嫌だったんじゃなかったか?

ってか人間の世界って、そんな範囲決まってるものか?



······私は、人間だ。
そうだ、私のやることは全て人間の所業となる。
たった1人いることは、とても大きい。




(···あれ、話がズレた。)




···なぜ働こうとする?
働く私は私ではない。私には無職がふさわしい。
この世界で、私は不必要な存在なんだ。

できれば必要とされて生まれなかった。
いつも居心地の悪さでいっぱいだった。
だから私は···

···無職でいることは、私がいらない証明になる。

そんな居場所を手に入れたつもりだったのかな···。


···なんだよそれ。そんな与えられた立ち位置にいても、ちっとも幸せにならない。

命に必要・不必要があるなんて思いたくないくせに、いつまでこんな私に執着してるんだろう。


···あ、そうか。
一人暮らしが目的ではないんだ。
こんな私から遠ざかることが目的なんだ。


なんで忘れてたんだろう。
気づけてよかった。