なかなか捨てられないけど、売ることはできた
メルカリに登録して、出品したら売れて、慣れない社交辞令を文章にしながら、取引を終えた。
売れた日は、どういうわけか自然とニヤケ顔になって、なかなか眠れなかった。
人と関われたことは嬉しいし、お店屋さんごっこは楽しい。
なんてことないはずなのに、人は優しいものなんだと感じた。私の中にある人とは違ってて、新鮮だった。
ここ3年、家族以外の人と話しもメールもしてなかったからだろうか。
殻にこもっていたのかな。
それにしても、この部屋にあった物が、遠い知らない所へ行ったなんて、おもしろい。
私が一生の内に、一度も行くことのない所へ行ったんだから。
あっけなかった。
···少し、虚しかった。
私よりも先に、この家を出ていった。
なんだか自由に動けるはずの私の方が、不自由に感じる。
···人間は送料いくらで送れるんだろうとか思う。
もちろん、自分の足で歩けばいいのはわかってる。
この体は、私が自由に動かせるはずなんだから。
···どうして私はそう思えないんだろう。
臆病だからかな···感情に負けてしまうからかな···支え合える人がいないからかな···。
そりゃどーしようもないなー。
とりあえず、荷物を片付けるよ。
今のこの状況を、どうにかしたい。