あの朝へ〈現在地フリーター〉

フリーター1年目(25歳、女性)による日記。

生きることを諦めない


バイトやれてる。


やってよかった。

よくないこともあるけど、そんなことは毎日の働きの中で、どんどん過ぎ去っていく。
1日の終わり、いろんな事を振り返らなくちゃいけないのに、その時間もなく眠りにつく。
日々は過ぎるばかりで、思い出す間もなく新しい1日がやってくる。

忘れてしまう。

でも、確かに、のこってる。


外に出てよかった。


声を出して大笑いする人がいる。
独特なユーモアを言う人や、微笑んで挨拶してくれる人、そわそわしてる人、「食べてね」ってお菓子をくれる人。

色んな人がいる。

たった1人の人が、たくさんいる。


家の中になかったものが、新鮮さを私にもたらしてくれた。

優しさ。
思いやり。
ユーモア。
からかい。

しばらく受け入れられなかった優しさ。
優しくされる覚えはないって感じだったけど、ごく自然のことなんだと気づいた。
皆が優しさを持ってる。

その心を利用して、こき使うような人はいないし、犠牲的な優しさもない。

ここにある優しさは好き。

やんわりとした気分になる。


まるで別の世界のように感じた。

この場だけのお約束。
笑うタイミング。

おもしろい。

生きていながら、生まれ変わったような、別の人生を生きているような気持ちになった。

なんというか、色が違う。
漂う空気がくっきりとしてる。
風が流れてる。


···うれしい。

世界は変わるんだ。変わり続けられる。

1回きりの人生に、私はどれだけの世界にいられるだろうか。

今のバイトは数ヶ月。
ここにいられる私の寿命。

どうか、生きることを諦めないでいたい。

終わりがあることを、忘れずにいたい。